そんな単純な話ではないということになるのかもしれないけれど、個人的には、ミッションスクールという場(山田監督のインタビューでは、信仰をもたない生徒も多く入学している日本のミッションスクールの、聖と俗をはっきり切り分けない「ゆるさ」が「懐の深さ」として強調されていた)で、聖歌とバンド音楽という、いっけんつながりそうにないものが「善きもの、美しきもの、真実なるもの」でつながり、演奏シーンにキャラクターの心情がなだれこむ、そんな話でもよかったような気がする。その場合は、きみちゃんにとっての歌うこととトツ子にとっての祈ることがもっと掘り下げられ、かつ、その重なりが描かれなければならなかっただろうと思う。日吉子先生があいだに立つような感じで。きみちゃんは学校を辞めなかったかもしれないし、ルイくんはそもそも登場しなかったかもしれない。自分ならそんな物語を夢想する。水金地火木土天アーメン。