きつね

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ないのきつねのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2023(268)※舞台挨拶付き上映(282)
青ブタ高校生編ついに完結!
思えばテレビシリーズが始まったのが2018年。中2のころ大好きだった作品。あれからもう5年かー

色々と説明されない部分が多々あって、自分なりの解釈が生まれるという点が今までのシリーズとは一線を画すポイント。

舞台挨拶で石川さんが語っていた解釈が個人的に腑に落ちるものですごく好き。
麻衣さんが咲太に言った「大人になったのよ。」というセリフ。その前後関係から読み解けば咲太がしっかり自立していていいお兄ちゃんだったことを言っているように思える。しかし、石川さんは、校舎で麻衣さんが咲太に言った「2人で家族になろう。」というセリフや、お風呂場での咲太の嘆きなどから推察し、人生における苦難や幸せを知ることができるようになった咲太が“大人”になったと解釈していて、言葉ひとつ取っても見た人によって受け取り方が違うのが面白い。

そして咲太が迷い込んだ世界にのみ存在するあの女の子は一体何者なのだろうか。
ランドセルの麻衣さんは咲太を違う世界へと誘う案内人だと解釈したが、大人の麻衣さんとどういう関係だったのか。
疑問点はまだまだある。

この作品のテーマは「家族」である。梓川家のお話を通してふと自分の家族に思いを馳せた。そういえば自分もお母さんのことをよく見ていなかった気がする。
「こうして僕たちは家族になった。」
これがこの物語の最後のセリフ。この言葉も奥深い。

エンドロールで「不可思議のカルテ」が流れるとともにこれまでの物語が走馬灯のように甦った。
考察の余地が多くあってフィナーレに相応しい作品だったと思う。
大学生編にも期待!
きつね

きつね