マインド亀

コカイン・ベアのマインド亀のレビュー・感想・評価

コカイン・ベア(2023年製作の映画)
4.5
ある日森の中で会えば確実に内臓を引っこ抜かれて殺される。人間が作った白い悪夢、そう、それはコカイン・ベア!

●今作はFilmarksの皆様のレビューおよびBLACKHOLEにおける評価を目の当たりにするまで、正直、観たい映画リストから完全に外しておりました。
予告編が単なる悪ふざけのB級スラッシャーコメディのように見えてしまってました。
深く反省すると同時に、映画館で本作を観ることが出来て本当に良かった。安堵の気持ちと同時に、皆様への感謝の念でいっぱいです。ありがとうございました!
もう、今年ベスト級です!何回でも観たい、最高のスラッシャーコメディでした!

●もうね、本作の魅力を挙げてるときりがないのですが、何よりも本作の一番の魅力である、コカインキメてラリってる凶暴なクマがマジでカワイイんですよ!いや、凄く恐ろしく凶暴なんですけど、それでも観終わった後にはクマの可愛さが印象に残るくらいカワイイんですよね!
多分誰もがベストシーンの一つに数えると思うんですけど、オールデン・エアエンライクの上にうつ伏せで乗っかって寝てしまうクマ、あのシーンはめちゃくちゃ笑いました。
クマですら、コカインキメたらその反動が強いんだなあと思うのと同時に、オールデン・エアエンライクの表情の見えない中でのセリフのやり取りが最高。そしてカワイイ。
あと、そしてコカインのパウダーラインをズシャっと吸い込むクマとか初めて観た(笑)し、千鳥足のクマもカワイイ。そんでカワイイと思って目が合ってしまった一瞬で殺意の目つきに変わるのが…(笑)
追いかけられる時の恐怖と言ったら、死を覚悟するしか無い…のですが、突然ちょうちょを追いかけはじめて、やっぱりカワイイやんけ、ってなる(笑)なんせ人間以上にクマの演技が本当に魅力的なんですよね。

●言っときますけど、これだけカワイイカワイイ言っといて何なんですが、最高に残虐な映画であることは代わりありません(笑)
なんせ良い者悪い者関係なく、割と人間が雑に殺されたり食べられたりします。誤射で頭をぶっ飛ばされたり、内臓を食べられたり、顔面を引きずられたり、腕をもがれたり、バラエティ豊かな殺され方で人が雑ぅーに死んでいきます。不謹慎な言い方ですがその殺され方がいちいち面白い。
これだけ人を殺しておいて観終わった後に爽やかな後味が残るのもなかなか無いですね。もう、それがなんなのかが説明出来ないんです。「クマさん頑張れ!」と「クマから逃げてー!」が二律背反的に見事に同居(笑)。

●今回のベストアクターは、オールデン・エアエンライクと、マーゴ・マーティンデイルですかね!
アイス・キューブのそっくり息子のオシェア・ジャクソン・Jrとオールデン・エアエンライクの男同士の友情はブロマンス的で楽しいし、ギャング的な仕事を嫌嫌やってる感じがなんかもう新鮮。めちゃくちゃ優しいし、キッドの話をちゃんと聞いてるし、めちゃくちゃいい奴で良かった。
あとマーゴ・マーティンデイルはなんといっても「誤射」と「顔面ひきずり」。キレッキレの演技でしたね(笑)

●いやーしかし、思いっきり単なる感想しか行ってませんが、この面白さは今観たほうがいいやつですね。この空気感、このくだらなさ、そしてなぜか来る感動。
なんか、不謹慎な笑いって、今後はどれだけ許容されるかわからないですし、いかんせんコカインをコメディ的に扱ってるのもこれから先許容力のない世界ではどうなるかわかりませんしね…
でも、コカインなんかやると恐ろしいことになるよ、って教訓の映画であるのには変わらないんですけどね。
この作品も『スパイダーバース』『ミッチェル家とマシンの反乱』のフィル・ロードとクリストファー・ミラー製作なので間違いないです!オールデン・エアエンライクとの『ハン・ソロ』リベンジをここでするのかー?ってのも面白いですけども。『ハン・ソロ』の降板がそれ以降の大活躍の糧になってるはずなんで、それがこの傑作を生み出したと思うと『ハン・ソロ』に足を向けて寝られません。
スパイダーバース公開の今年だからこそ観てほしいです!是非お願いします!

●余談ですが、「子供を家に置いてきたのか!?最低だな!」「てめぇが放置してんだろうが!うちは託児所じやねえ!」のやり取りが、期せずして、例の埼玉県議会の留守番条例を想起しますよね。ギャングですら孫の面倒を看るのに四苦八苦してんだなー、と思いました。
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