2023年は熊被害のニュースが本当に多かった。
奇しくもそんな年に公開された本作は、コカインを吸った熊というハイなモンスターに襲われる人間たちの惨劇をブラックユーモア満載でシニカルに描く群像劇である。
フィクションとはいえ笑って良いのか微妙な気持ちになるが、モンスター・パニック映画としてしっかり怖くて笑えるエンタメの佳作で、一発ネタのようだがちゃんと作られている。
冒頭からノリノリのおっさんの〇〇、熊対策の出典が〇〇だったり、ロード＆ミラーらしいユーモアが炸裂する。
熊の行動は映画としてデフォルメされているが、質感がリアルかつグロ描写もしっかりしているため絶望感がある。
いったいどうオチをつけるか見当がつかなかったが、非常に気が利いていた裁き方で良かった。
ラストのケレン味あふれる熊登場はヒーローのようで、実際そうだった。
