Ki64

シン・タイタニックのKi64のネタバレレビュー・内容・結末

シン・タイタニック(2022年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

あの不朽の名作『タイタニック』が低予算で現代に蘇る…!


予算を抑えるため、費用がかさみそうな人口密度の高いシーンやタイタニック号の全景等は全てCGで再現。
しかし明らかに技術不足であり、特に花火やヘリコプターなどは一昔前のフリー素材かのようなしょっぱさ。
更にキャストたちの衣装も安っぽさが際立ち、服に着られている『コスプレ感』が雰囲気を損ないクオリティ低下に拍車をかけている。

圧倒的に残念なポイントは、登場人物たちに1ミリも魅力を感じないこと。
序盤から登場し悪目立ちするYoutuber夫婦は時代の流行りによる要素を取り入れたかのようだが、軽薄で品のないところが場違い感を生み出し明らかにこの作品の質を落とすことに貢献している。
他に守銭奴教授なども、『蚊』の方がまだマシと思えるレベルの魅力のなさ。軽薄に異性に触れる様が気持ち悪い。

もう一つは、ホラー演出時の編集がクソださジャンプカットの一辺倒であること。
蘇りし死者たちが乗客を襲うシーンは瞬間移動のように接近してきてパッと殺しにかかるという見る価値一切なしの呆気ない出来。

沈没時のパニック具合は、カメラをグラグラ揺らしてるだけで平穏な船上を乗客たちがワチャワチャと逃げ惑うだけ。
特に、緩い傾斜であるにも関わらず異常な速度で滑っていく乗客たちの物理法則を完全に無視したシーンはある意味見どころである。


一番驚愕だったのは、死者を蘇らせた女性と警備員二人が幽霊と対峙するシーンの人物配置と構図。
家具の配置的にどう見ても警備員たちと幽霊の位置が同じ場所で、それを視点を切り替えることでお互いが向き合ってるように見せてるのだが、違和感しかない。
何故監督はこんな簡単なミスにも気付かなかったんだろう。意味が分からない。
亡霊が人を襲うシーンよりこのミスが怖かった


女性が亡霊を呼び寄せる儀式のシーンでおお、おバカ映画として面白そう!と、『高慢と偏見とゾンビ』のような作品になるかなと思っていた自分がバカでした。
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