まや

658km、陽子の旅のまやのネタバレレビュー・内容・結末

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

菊地凛子さんがほんとに迫真の演技で実際に存在しそうな雰囲気のあるしっかりと人間を描く映画だった。

42歳の主人公が夢に破れ、父が亡くなったことで地元青森をヒッチハイクで目指すと言う物語。

コミュ障で、声が小さく、人と関わるのが苦手な主人公が、人と人との出会いを通して、自分がずっと目を背けてきたものへと向き合っていく。もう2度と会わないであろう人になら吐露できる気持ちってあるのだろうなと思ったが、性暴力的なシーンはそこに入れないでほしかった。

やりたい夢からも、家族からも、現実からも逃げて気づいたら42歳と言う年になっていて、何も頑張らずに年だけ重ねてきたと言うことを突きつけられるのが本当にきついし、それを吐露するシーンはすごく涙が流れた。大きく成長するのではなく、ここが頑張りどきだと踏ん張る姿が本当に心動かされた。(それと同時に自分にも突き刺さる現実が痛かった)

オダギリジョーはセリフがないが、やっぱりその存在感がすごい良かった。
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