三樹夫

ゴジラVSメカゴジラの三樹夫のレビュー・感想・評価

ゴジラVSメカゴジラ(1993年製作の映画)
3.1
『ゴジラvsキングギドラ』のメカキングギドラを利用してメカゴジラを作り、絶対にゴジラ倒すというゲーム的な内容。ゴジラ倒すとかそういうこっちゃなくね感が漂う。三枝未希など怪獣サイドの人間もいるが、心も怪獣に同化し街を火の海にしてぇみたいなことは考えていない品行方正な人たちで、平成シリーズはそういうこっちゃなくね感が強い。ゴジラ倒すとかそんなモチベで怪獣映画観ないし。三枝未希は怪獣の通訳兼解説と、ただの便利キャラでしかない。

トレンディドラマ、恐竜、合体ロボ、ドラゴンボールなどその時に流行っていたものをとにかくぶち込みましたという感じで、特にトレンディドラマ要素が強い。登場人物のやり取りがトレンディドラマのノリ。ただし全く上手くいっておらず、高嶋兄弟のプログレの方こと高嶋兄と佐野量子のプテラノドン飛行機でのデートシーンなんか観てるこっちが恥ずかしくなる上に全く面白くないという悲惨な出来。室内飛行特撮は後に1996年『モスラ』のフェアリーとガルガルによるリビングでの空中バトルでもやり特撮技術の進化が見て取れたが、あちらの方も特撮でこんなことができると無意味に長い上に観ていて面白くなかったと、技術のひけらかしでしかなかったと残念なシーンだった。
メカゴジラは昭和の超絶悪そうなデザインから、サンライズのロボアニメで出てきそうな洗練されたベビーフェイス的なデザインへと生まれ変わり合体までする。ガルーダと合体しスーパーメカゴジラ推参と、ガルーダを背中にしょっただけだがなんか凄そう感は漂う。

トレンディドラマの軽薄なノリ、それに引きつられるかのように原田大二郎のキャラの台詞のスベりっぷりや、ゴジラの三重~京都~大阪の関西日帰り観光など全体的に緩い雰囲気の映画だが、海中からビーム発射やプラズマ砲をぶちかましてラドンがビルに吹き飛ばされる、スーパーメカゴジラになってからのオールウェポン発射で全ビームの乱れ撃ちなど、ケレンが効いていて観ていて楽しいところもしっかりある。
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