テッサロニキ映画祭にて。

先日東京国際映画祭で観た「ザ・ビースト」と似た、スペインの田舎への部外者の転入によるコミュニティへの影響の話。

古い伝統的価値観と現代的価値観の対立。

夫婦が受け継いだ田舎の古びた家を建て替えるため、土地にあるコルクの樹皮をはぎ、土地について学ぶ。
理想の生活をするために地域と協力し、問題なくやっていくはずだったが……。

価値観の違いは否定したようにとられ、親しげな交流や意図せぬ間違いは時にプライドを傷つけ、緊張感が生まれる。どこかで穏便に済ませることも出来そうな気もするが、やはり長きに渡り土地を守り共に生きてきた者からすると、新参者にそう簡単に変えられてたまるかという思いが表には出なくても無意識のうちにあるのかもしれない。

新参者の夫イヴァンのほうも、こっちはこっちで自分の存在を認めてもらいたい、自分自身はうまく対応できていると証明したい欲求がかえって距離を生んでしまったんだろうなぁ。
皮肉な話。

夫婦の前途多難な新たな家と生活はどうなるのか？たぶん誰のせいでもないアレがまた皮肉だった。

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コルク林を受け継いだ女性とその夫が労働者の扱いの価値観のずれでぶつかり合う話。長いけど夫婦の価値観が途中で逆転する展開は面白い。サン・セバスティアン国際映画祭にて。