ガチめのアシッド。メタ構造がトリッキーかつサブリミナル。
思えば、パラサイトはわからなせないようにしようとしていることがわかりやすかった。緻密に、構造的に、人工的に、脱構築していた。
ポン・ジュノは、映画的な生理や興奮。理性では拒否できない生物的な反応を志向している作家という印象で、作品によって、黒沢清的だったり、フィンチャー的だったり、スピルバーグ的だったりするけど、常にパーソナルかつ最大限のサービスをしようという心構えとスキルとセンスに、いつも感銘を受けていた。
そして本作は、オクジャやグエムル系譜のブラックSFコメディかーと思ったけど、よりカリカチュアライズされたわかりやすくて大げさなバカさや愚かさを描いており、いままで以上に下手さや洗練されてなさが全面化していて、すべてがAI生成されたような既視感が繰り返されていた。
ハリウッドやインディーズやアングラやなにもかものお決まりごとを、絶妙にトレースして生成していくことで物語のテーマと呼応しながらオリジナリティを捨て去った境地にオリジナリティを見出してるのではないかとすら思って、途中からよくわからない感動が生まれ始めた。後半、ナーシャがキレるところでボロボロ泣いてしまった。
やっぱり、ポン・ジュノは最高だ!