宮﨑駿版「君たちはどう生きるか」
2回目鑑賞しました！
気が付くことが色々あり、登場人物たちの所作や間を感じて、まだまだ観ていたい気持ちになりました。
自分の人生の中でジブリ作品の中で触れてきたものが散りばめられてて、幸せな時間でした。
自分中心の"理想郷"にいる価値はあるか。
どんな不条理な事が起きても、世の中が混沌としても目を背けず「生きる」が宮崎駿監督の中であるのかなと思いました。
何度も観て作品の中にあるものを自分の中で感じ取りたいです。
------------以下ネタバレ&考察あり--------------
眞人は真の人でキリコが死の匂いがするって言ってましたね。
青サギは生と死を司る鳥(不死鳥)で風切羽を持っていた眞人はペリカンの襲撃から免れたのかなと思います。
米津さんと菅田さんの対談で、青サギを鈴木敏夫さんと重ねたと仰っていたので、眞人に「あばよ、友だち」って言って去っていく場面は色々と感じたそうです。
嘘をつかない嘘つき青サギの魅力は尽きません。
眞人の父は零戦に使うキャノピー工場の経営者（宮崎駿さんの父は工場長）でした。自身の過去と重なる部分が多く、身を削って作られたんだなと。
大叔父は二度も眞人に世界を託そうとしましたが、断られます。
一度目はその石(意志)は悪意に染まってるという理由で、二度目は頭の傷は自分で付けた悪意のしるしなので、その悪意のない石に触ることは出来ないという理由。
若いキリコの沼頭と戦った頭の傷を見た時、眞人はどう思ったのでしょうか。
大叔父の世界もインコが増えすぎて食料不足等で崩壊寸前で大王がトドメの一撃。ペリカンも然り。
しかし、奪っては争い、火で覆われる上の世界で「生きる」価値があるのかと問われる。
眞人は吉野源三郎さんの"君たちはどう生きるか"の石段での思いまで読んでたのかな。自分の中の悪意に気付かされた。そんな涙に見えました。
ヒミ（眞人の母）は眞人を産めるなんて幸せじゃないか！の所が泣けました。
悪意を受け止めて、ヒミやアオサギのような「友達を見つける」＝「生きる」ってことなんだなと思いました。
