Toda

君たちはどう生きるかのTodaのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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この世界を、あの世界を、生きる。そして死ぬ。

本当に不思議なことだ。
先週の金曜ロードショーで久しぶりにナウシカ熱が再熱して、漫画を読み直して。言うまでもないことだけれど、改めて約60歳離れた宮崎さんに大変な影響を受けていたんだなぁと思いを深めていたところに、これ。

僕らの世界。そこでは全てが溶け合って、つながって、渾然一体としている。全てはあって、同時にない。
僕らは生まれて、育って、世界を理解すると同時に世界を作り上げて。
普段は客観的に対象として存在すると思っているこの世界だけど、厳密に考えを進めていくと、そんなもの存在しないと分かってくる。でもそれと同時に笑っちゃうくらい厳然とそこに存在しているから面白い。
世界を形作る物語。物語を形作る世界。
自由に物語を、世界を行き来する力を育んでくれて、スタジオジブリ、本当にありがとう。

この世界を、あの世界を、どう生きるか。そしてどう死ぬか。

幸せです。
なんも根拠がなくても、それでも真っ直ぐな瞳で、「これをしなくちゃいけない」というように前に進む眞人くん。僕ら全員、眞人くんだねぇ。
悩みはある。けど大丈夫。どんなに苦しくても。

訳わからないものを書いてしまった…笑
まぁそれだけ感動しましたということです。ありがとうございます。

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フロイトと村上春樹的なもの。無意識と物語と世界の成り立ち。


2024/01/03
新年一発目の映画館。弟と共に。
2度目はやはりプロットがよりクリアに見えるようになってて、前回よりも理性的に楽しめた。

全ては縁に因って起こる。
人にはそれぞれ人生のどこかのポイントでそれを強く実感するような個人的な出来事がある。その出来事は強力な磁場を形成していて、色んな物事がそこに吸い寄せられ、場合によっては時空すら捻じ曲げ、絡み合って生の妙を成す。
血の縁と地の縁は本当にその意味では強い。繰り返される「お待ちしておりましたぞ」。眞人の因縁。

画策して、創り上げようとしても到底僕らの手には負えない。
縁に因って成り、しかし縁に因って成ったからこそ実体は空。円融三諦。
ひとりひとり、ひとつひとつ、どう生きるか。
Toda

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