Toda

海がきこえるのTodaのレビュー・感想・評価

海がきこえる(1993年製作の映画)
3.5
まずなんていったって細かい構図の美しさ、絵の素晴らしさに惚れ惚れする。

そして、背景の空気の層に現れる夏の色。土佐電。捲れる発車標。引きずる修学旅行。校舎のあちこち。漆喰と木のコントラスト。理不尽な教師。窓辺の憂鬱。
物語のあれやこれやより先にそんな眩しい景色が鮮明に残る。
ちょこちょこ挟む情景描写、上手いねぇ。
せとないかいいいいいぃ。
これは好きんなっちゃうよ。

松野の電話。照れ臭い声、興奮した声。「それだけやけど …それだけや」笑笑
湯船で呟く「…僕だって、ごっつぅかわいそうやん」笑笑
高知城見上げながら浮かんでくる、ここに書くのも照れ臭い台詞。「いろんな無駄話をしたかったんだ」。
蘇ってくる沢山の思い、言葉、景色。そんなものたちを噛み締める幸せを知れるという意味で歳をとるのも、悪くないよねぇ。

オートロックって、便利やけど嫌やねぇ。あの鍵が僕は好きです。

そこが世界なんだよなぁ。
Toda

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