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君たちはどう生きるかの1031のレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.5
スゴイ映画だった。映像表現やアニメーションはさすが宮崎駿って感じだけど、これ80歳を超えるおじいちゃんが作ったの?って言うぐらい瑞々しい創造力が溢れてる
懐かしさもあり、宮崎駿の人生を描いているように感じる所もある。
宮崎駿はかつてナウシカ製作中に母を亡くして、そのお葬式に出れなかった事を後悔し、またジブリのヒロインには母を投影していると言われている。
また零戦を作っていた父を軽蔑していた一方、兵器には惹かれる矛盾した気持ち抱えていた。
そしてこの映画の制作期間(10年)の間に戦友ともいえるスタッフ、友人、ライバルが次々にこの世を去った。一つ確実なのは鈴木プロデューサーがラジオで語っていた情報として、主人公と鷺男のケンカを女の人が仲裁していたシーンが感動的に描かれていたというもので、その女性というのが数年前に亡くなったジブリで長年色彩設定をしていた安田さんがモデルであるという事。となると主人公とケンカしていた鷺男(トラブルに巻き込みケンカもするが後に友人になる重要キャラクター)はこちらも数年前に亡くなったジブリのもう一人の有名監督、高畑勲ではないだろうか。
この映画にはこれまでのジブリのセルフオマージュともいえるシーンが溢れていて、宮崎駿自身の人生を描いているようにも見える。その中でこれまでの人生で関わってきた人たちともう一度巡り合い、一緒に冒険して、そしてその物語を観客に見せた上で、「自分はこんな人生を生きた。君たちはどう生きるか?」と問いかけているように感じた。
1度観ただけだと全ては理解できない傑作!ただ賛否両論ありそうな映画でもあるw
Yahoo映画のレビュー見ると酷評の嵐で地獄であるw
エンタメとして見るとそれもわかる気がする。ただこれまでのジブリの歴史や宮崎駿の人生を踏まえて見るとメチャクチャスゴイ映画に化ける。
声優陣も必見です!
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