このレビューはネタバレを含みます
大満足
物語最後、主人公が大オジから新しい、優しく平和な世界を創ることを拒否して、自分の中にも悪意があることを示したときに、ああ、ナウシカだ、と思った
個人的には、宮崎駿は漫画版ナウシカを描き切ったんだな、と思った
色んなところで過去作品のモチーフが出てきて、宮崎駿の頭の中を全て出し切った作品なんだなと思った
過去作品へのオマージュとして描いているというよりは、宮崎がアニメーションを作る際に入れずにはいられない要素なのだと思う
宮崎駿のアニメーションの全てを詰め込んで、一本の作品にしていると感じた
宮崎駿作品は、どんな状況のどんな世界の話であっても、主人公の身体の使い方は私たちの日常生活と通じていると感じた
どんな世界でも、料理し、食べ、眠り、時には排泄もする
そういう主人公の日常動作が、鑑賞者と物語世界とを貫き通す感覚になり、わたしたちにどこか懐かしさや没入感を与えているような気がした