ちょんまげくん

君たちはどう生きるかのちょんまげくんのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
2.0
宮崎駿が本気で作った子供向けアニメ
なにも難解ではない簡単なお話だった。
要約:家庭環境の変化に悩む少年が、野外活動という実体験によって、成長し新しい環境を受け入れられるようになる。
テーマ:少年は実体験により大人になる。
昔から言い古されたあまりに当たり前の教訓である。
それだけ、本当にそれだけのお話だ。哲学的な要素は微塵もない。
何んら難しい解釈も考察も必要が無い、ものすごく簡単で分かりやすい教育的アニメである。

しかし、その表現は、高度な演出や最高の作画技術によって作品は創られている。
その為に人は何かしら作品に深淵な何かがあるに違いないと思ってしまう。
しかしなんにも無いのです。何故か?これは子供向けアニメだからだ。宮崎駿は子供の為にこの作品を創ったからだ。

私が、興味があるのは、子供がこのアニメを見てどう感じるが?である。
この作品は現代の少年の心に刺さるのか?少年を救済できるのか?
こんな当たり前の古臭い思想で。
私は無理な様な気がする。

私が思う、少年を救った伝説的アニメ
エヴァンゲリオン:14歳の少年に過酷な使命を押し付ける大人に対して「嫌なことから逃げて何が悪いんだ。」え!主人公(選ばれし者)がそれいっていいのか?
モブサイコ100:超能力を持ってしまった故に全て背負い込もうとする少年に対して、無能な大人が「嫌なことから逃げたっていいんだ。後は大人の仕事だ。」
以上の作品ような頭を殴られたような感動は、この作品にはない。

高畑勲の「かぐや姫の物語」のレビューで「金メダリストによる完璧な前転」を見せられたような感じだ。
という面白い表現だなと思うレビューを見たことがある。まさにその感じの作品だ。
高畑勲を尊敬する宮崎駿にとっては、ひょっとしたらこれは最高のレビューなのかもしれない。