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君たちはどう生きるかのemuのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

初日のレイトショー、私は今誰も知らない、全く新しいジブリ作品を見ているんだと思って満員の中ずっとドキドキしていた。青いスタジオジブリのロゴ。駆け上がる階段、走る人、雑踏、降りかかる炎と風、緑に溢れた草木。開始1分からもう泣いてしまった。言うまでもないけれど作画が本当に素晴らしい。あの古い屋敷の内装はどうなっているんだろう。煙草のひかり、竹の弓矢、あの広い池と塔の中にあった本の山は。細かい描写もっとしっかり見ていたかった。暗い戦争の匂い、怪しげな青鷺との出会いから始まる前半、向こうの摩訶不思議な世界を巡る後半。説明のないままずんずん進んでいく後半の展開は目まぐるしくて、ラストここで終わってしまうの?と混乱しながらエンドロールを眺めていた。本編の物語よりも、見ている嬉しさアニメーションの動きにひたすら感動していて、そっちの感動の方が何倍も大きかったような気がする。それってとても凄いことだ。

創造の石ころを少年の手のひらに託して、呆気なく崩れてゆく世界。そして私たちは、この世界を自分にできることを精一杯やるしかない。小さく、それでも真っ直ぐ生きていくしかない。落ちている羽や石や草木に、小さな感動にずっと目を向けることを忘れないで。
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