プテラノドン

君たちはどう生きるかのプテラノドンのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

あんまり楽しめなかった。
理由は2つ。

①ストーリーに主軸がない
めちゃくちゃ長い導入のあと、やっと異世界に飛んで主人公の冒険開始。(こっから異世界に飛ぶの!?って思うくらい遅かった)ナツコを探すという名目ではあるが、肝心のストーリーは意味不明な点ばかりで壊滅しており、正直ついていけない。結局海の世界とはなんなのか、塔とはなんだったのか、ナツコは何故あの世界に行って、戻りたくないと言ったのか、アオサギ、インコは何者だったのか等々…。解説はなく終了。この謎な要素たちを一旦置いといたとしても、ストーリーそのものも一本筋を感じない突飛な展開ばかり。
宮崎駿が描きたかった世界観、キャラクターを描き残すまいとこれでもか、と詰め込んだメドレーとなっており、この作品を楽しむとしたらもはやそこしかない。宮崎駿の同人誌っていう言葉が1番しっくり来た。

②主人公に成長がない
紆余曲折冒険しているのだが、主人公に全く成長を感じられなかった。(もともとしっかり者のキャラクターということもあるが)海の世界ではナツコを探したいという意思はあるものの、終始行き当たりばったりで、主人公の意思で何かを押し除けたり解決して成長するシーンがないように感じた。

この映画の低評価の理由は①が圧倒的に大きいかな…。ジブリは大ファンではないけど、幼少期からたくさん見てきたし、好きな作品も多かった。一本筋の入った最高のストーリーの【裏テーマ】としてメッセージ性が隠れているのがジブリの好きなところなのに、ここまで描きたいもの重視で内容が壊滅してると本末転倒。
解説を見れば変わる部分も大きいと思うけど、この映画を楽しむには本編と同じくらい長い解説動画を見る必要がありそう…。
そして今回重視しまくってるはずのメッセージ性もあんまり伝わって来ないのもきつかったです。
純粋にやりたい放題やって説教臭さはなかったのはよかった。