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君たちはどう生きるかの648729のネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

宮崎駿の映画を映画館で観る、という体験がこれで最後になるのかと思うと開始早々ひと泣きしてしまった。自分の人生にあたりまえにジブリがあって、ジブリと一緒に成長してきたことを思った。

いろんな作品のかけらがあった。わたしの中のジブリの引き出しがいくつも開いて、その度に胸がギュッとなった。ああ本当にこれが最後だと思った。
アオサギが喋った瞬間が一番興奮した。凄い…。菅田将暉があの役柄の声を担っていることも物凄い。打ち震えた。アオサギが初めて喋った瞬間のマヒトの反応がひっかかる。シーって言ってなかった?
わたし、アオサギって大好きな鳥だからもう純粋にめちゃくちゃうれしかった。美しい鳥だよね。たくさん鳥が出てきてワクワクした。

宮崎駿にとって母親ってなんなんだろうと思った。あの世界の核にはずっと母親がいる。最後まで母親という像に執着しているように感じた。そこまでさせる存在ってなんなんだろ。母という存在がもたらすものについて考えさせられて、恐ろしくなった。
なつこが大嫌い!!って叫ぶシーンは心が引き裂かれたしヒミがマヒトを抱きしめるシーンは、体が少し揺れるくらい感情が動いて、泣きすぎて顔がひくひくした。自分の母親を思って、ではなく、1人の母親として観て、鋭く突き刺さって抉られるような、染み込むようなものがあった。

走り去るように終わっていって、美しかった。夢から覚めて、脳裏にタイトルが浮かび現実に引き戻される。

宮崎駿の最後の作品(になるかもしれない)に、心をめちゃくちゃに揺り動かされてへとへと、というあの余韻をできるだけ失いたくなくて、そーっと帰った。何度も涙が込み上げてきて我慢したけど、家に着いて息子を見たら溢れてしまった。

この映画を理解することはきっとできないし、する必要性もあんまり感じない。他人の心は理解できないのと同じで。
ただ、最後に全部見せてくれてありがとう、という気持ちだけがある。
純粋に、この映画を受け取ることができて本当にうれしい。
ありがとうございました。
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