ラストシーンで、荷運びのインコごとく、ここが楽園か?って泣いた
正直に白状して、私は風立ちぬを観ていないので、近代日本戦下が舞台設定の駿作品を知らず、ジブリ作画での現代描写にドキッとしたが、
矢じり、青サギが眞人を塔へ誘うシーンなどのジブリファンタジーを見ることで、
ポニョやブレイブストーリー以来の空想が覆う現実世界と理解し、楽しく鑑賞することができた。
主人公が不遇な環境下でやさぐれてしまう系主人公で、ゲド戦記っぽく良い。
母が戦火で亡くなり、母の妹と結婚した父親。新しい母との和解がストーリー。
舞台は、母方の実家の離れにある建物での不思議な体験。
こんな夏休みの課題図書みたいなストーリーを、
「君たちはどう生きるか」という題名にすることで、しっかり昼ドラ感を払拭し、宮崎駿の自伝的ストーリーも楽しむ様に掛け、死生観や人の繋がりの作品につなげていくのは、名プロデューサーすぎる。
番宣をしないのも見方、捉え方から考えさせる題名の妙理を強化する良い采配だったと思う。
じゃあ、ジブリを体験したことない初心者が観たらどうなるか?も、そんな若い世代はYoutubeやSNSで考察を見るだろうし、絵の良さとかで感動できるだろうからってシンエヴァ的売り方でプロモーション方も振り切れてて良い。どう生きるか、と問いかけの題名で、アトラクション的楽しむだけ映画でも無いと心構えられる。
インコのようなコミカルなアニメ表現。
青サギのような現実に忠実な動きを描写する描写。極まった両方が混在して、アニメ教本として優秀。
しかし、静と動、緊張感のあるシーンや、極楽浄土の描写等に新奇性や凄みはあまり感じられなかった。
ミレーの種をまく人を入れ込んだり、なんかエヴァっぽい。スノッブ分かりやすく効かすジブリだったっけ?