このレビューはネタバレを含みます
【君達はどう前へ進むか？】
まさに"宮崎駿"監督の集大成的作品だった｡
人は生きる上で､様々な"喪失"を味わい､それにより一回立ち止まってしまう｡
だが､何か"小さいようで大きなキッカケ"があれば､人はまた立ち上がり､"前に進もうとする"｡
駿監督も､幼少期に"戦時期"を経験し､"主人公"とは別のケースだが､喪失を経験している｡それがやがて作品にも活き､この時の喪失感を本作にも投影したのかもしれない｡
そして本作のタイトルにある"吉野源三郎著の｢君たちはどう生きるか｣"｡宮崎駿監督が少年時代に実際に深く感銘を受けた著書だが､これをどう物語に登場させるのかが気になった所ではあろうが､その登場の仕方も私の"思う通りの所"もあったし､その手があったか…と想像の域に過ぎないが他にもちゃんと投影されてた所もあったのも驚いた｡
それに､これはきっと"若い私達でも経験した事"でもあり､これが"人生の物語を冒険活劇として表現した"作品なのだとも読み取れて､なお楽しかった｡ジブリをいろいろ観てきて､いろいろ引用できる作品はあれど､最終的に私はその事に気づいたのだ｡
感じ方は人それぞれな作品だ｡そして終わった頃には､今までのジブリ作品同様､いろんな感情が込み上げて放心状態になる｡
そして私は落ち着いてこう思う…これは創造の大切さを問うだけでなく､経済が困窮し､疲弊した私達の背中を押してくれる作品だったのだな…と｡
この作品は難解かもしれない｡
けど､私はこの作品から確かに力を貰えた気がした｡
何が言いたいのかと言うと､本作を観た上で､皆さんには…特に私のような若者には｢君たちはどう生きるか｣を読んで貰いたいと感じた｡
