このレビューはネタバレを含みます
言葉にならない。本当に素晴らしかった。
ファンタジー部分が凄く哲学的で難解で、大衆向けに作られてなくて、私はこういう宮崎駿が見たかった。
本当の母親を亡くして新しい母親や家族、友達と折り合いがつかずに、内面に色んなものを抱えて閉じ込めてしまっている心優しい少年が、冒険を通して色んなものを経験することで成長し乗り越えていく。自分で考えて自分の人生の答えを出していく。
「君たちはどう生きるか」
本当にこのタイトル通り。人間ってこういう風に暗いものもいっぱい抱えてる中でどう生きていくのか。
よく分からなかったって感想チラホラ見るけど、私はこの作品の主軸はそこだと思うし、それがわかった上でのあのエンドロールで号泣しちゃったな。
宮崎駿の死生観みたいなものも随所に現れていたし、過去作品のオマージュも沢山あって今までの集大成とは正にこのこと。82歳になってもつくり続けて公開してくれたことに感謝しかない。