このレビューはネタバレを含みます
君たちはどう生きるか。
どのシーンをとってもジブリらしさのある作品だったと思います!
作画であったり、展開については見応えがあるので、見ていてとても面白いものだと思いました。
ストーリーは過去作のような一貫性や、まとまりを感じられず賛否の分かれるものだと感じました。
日本が世界に誇る、宮崎駿監督によるジブリ最新作をリアルタイムで観られることに価値があると思いました!
⚠️以下ネタバレ⚠️
僕がこの映画を観終えて感じたことは、
宮崎駿監督が伝えたいことは、『生きる』ということの意味だと思いました。
まず、この作品では、いま我々が生きる世界をこの作品に投影しているのだと感じました。
その点、社会風刺的観点もあり、これまでのジブリとは一線を画すものかと思いました。
例えば、戦争や人類の身勝手な環境破壊。その他諸々自己都合の行為。それらを表現するに適切なのが戦前という時代であり、舞台になっているのではと思いました。
後に、この先のバランスの取れない世界という言葉を大叔父が言っていますが…!
例えば、人が生まれる前の姿(名前忘れた。白いやつ)が無惨にもペリカンに食べられるシーン。
生きるためには仕方がないと。
そして、インコが多くなりすぎた世界ではよそ者である人間を食べる。
生きるためには仕方がない。
そんなこの世の食物連鎖。
この世の情理。
僕はそんななかで、インコは我々人類を、大叔父は神を、表しているのではと感じました。自分勝手に増えすぎたインコは人類と類似し、これとばかりに都合の良い理由を作り、行為を正当化する。
そして、世界を荒らす。
神である大叔父はそんなバランスの悪い世界をなんとか救おうと苦心している。
しかし、最後にインコの世界の王は、自分たちの要求のために大叔父のいう言葉を聞く間もなく、世界を破壊する。
そして滅びる。
現実世界の扉を潜ると、ただのセキセイインコでしかないことも一理。
これが大まかな僕の考察です。
他の方のネタバレや考察は一切見ていないので、僕の個人的な考えですが…。
そしてこの作品にはもう一つのストーリーがあると思います。
それは主人公眞人のストーリーです。
彼はいわば神の子。
つまり世界を変える力がある。しかし。
大叔父は、より良い平和や世界にするために主人公に期待をするが、主人公はその仕事を引き受けることはなく、自身のために生きる。
ただそれは利己的では決してなく、大切な人と生きるための選択。
それが彼にとっての、
どう生きるか
の結論なのだと思う。
1人で世界を引き受ける選択をしなかっただけの話。
そして、大叔父の予想通り第二次世界大戦が起こり、不安定な世となる。
そしてそんな世界を眞人は歩き出す。
そして、生きる。
その選択を抱いて。
結果的に宮崎駿からの模範解答のない、疑問提起で終わるような内容であると感じました。
とても興味深く面白かったです。
ただ難しすぎる!!!笑