このレビューはネタバレを含みます
なんの前情報も入れずに映画を観れるというのは、たぶん今後一生できないであろう最高の体験だった。まあ初回は情報が処理できなくて放心状態になってたんだけど笑
正直説明が省略されすぎて、ストーリーテリングは破綻しているように思う。宮﨑駿作品の中でも苦手なハウルやポニョと似たような印象を受けた。
でも3回観てなんとなく考えが纏まってきた気がする。
ヒミと眞人の最後の会話と、劇中で出てくる「君たちはどう生きるか」の本から、僕の大好きなドゥニ・ヴィルヌーヴの「メッセージ」にも共通する運命論を超越するような円環構造になってるんだと思った。そう考えると「君たちはどう生きるか」というタイトルにも納得できるし、これしか無いとも思えてくる。
映画全体の構成が歪すぎ且つ、画や演技で表現しているから分かりにくいけど、この円環構造が見えてきてからは大好きな宮﨑駿作品の一つになった気もする。
過去作のオマージュやエッセンスが至る所にあるから、作品外のことを含めていろんな解釈ができそうではあるけど、考え出したらキリがないね。
ただなぜこの話を引退を撤回してまで描こうとしたのかはしっかり考えていきたい。