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君たちはどう生きるかのRのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

見てない方は本当にこの話を見ないでください。



なかなか難解なテーマだった。
ただ、わかったのは…
「(あ、描きたいもの描きまくったなこの爺さん…)」がヒシヒシ伝わって来る。
宮崎監督映画の総集編みたいな絵面。脚本に関しては恐らく自分体験記と元々の「君たちはどう生きるか」をベースとしている感じ。

舞台は恐らくサイパン陥落後の日本なので第二次世界大戦末期、終戦間近。
空襲による火事からか、母が入院している病院(時代背景的に結核か?)が焼失。
主人公である眞人(まひと)少年は軍需産業を生業とする父と田舎へ疎開する。疎開先では夏子という新しい母が待っていた。なかなか新しい環境、状況に馴染めず、辛い日々を送る眞人。新しく住み始めた屋敷で1匹のアオサギ「覗きアオサギ」と出会う。不思議な魅力に惹かれた眞人少年はアオサギを追う。
すると屋敷の敷地の奥に、一風変わった「塔」を発見する。
それは奉公に出て来ているばぁや達によると、母(久子)の大叔父が建てた建造物らしい。だが、その建物はいわく付きらしく、その塔が立ってからというもの、大叔父は取り憑かれたように執着し、塔に取り込まれるように姿が消えたと言う。それからも不思議な事件は起こり続け、恐れた屋敷の者達は大水で塔が崩れた際に入り口や屋敷に続いていたトンネルを埋めてしまう。
とある日、眞人少年は夏子が森の中へと入っていく姿を見る。所が夕方になっても夏子は屋敷に帰ってこない。その姿を見ていた眞人少年はばぁやの1人、キリコと共に森に入り、奇妙なアオサギに招かれる様に塔の世界へと入っていく。そして、彼の運命は変わりはじめる………。眞人少年を取り巻く人達、彼自身の行末は如何に。

という事で、ここまでが映画冒頭の導入です。今回マジ導入が長かった。
お話的には一貫して色々な体験を通しての眞人少年の成長を描いています。ちょっとビックリしたのは確かに神隠しとかを描いて来た宮崎駿作品だけど、結構闇というかホラーな一面も出ていて、不思議な魅力がありました。冒頭が長かったからか終わりはスパッと終わってくれます。その後は恐らく「君たちはどう生きるか」の問いかけではなく宮崎駿監督自身の「私はこう生きた」に繋がるのでしょう。見てみる価値はあると思います。

考察的にはどの世界も繋がっていて、眞人少年が入り込んだ世界は死が蔓延している終わりかけの世界。鳥=死を司る生き物として描かれていて、アオサギはアオサギというよりデザインラインが「コウノトリ」に近く、そこも生と死を感じさせられるし、世界と命は流転していると感じ取れる描写が散りばめられていた。石=意思、意志、遺志だと思うんですよね。だから、「君達はどう生きるか」を死の観点から描いたという感じなのではないでしょうか?

あと、広告費にお金を掛けない事で、「宮崎駿監督作品」というネームバリューを上手く使ったなと思いました。そちらに割かない事で2Dに見える3DCG技術がふんだんに使われていましたし、逆に誰も「宮崎駿」というレッテルがあるため如何にクソと感じても悪い評価はしない予防線も張っていたと思います。試されているのは、駿か我々かー。
米津玄師のEDで終わるのもある意味、自分の人生に引導を渡して、新しい世代に繋げる為の布石でもあるんだろうな。本当におじじ、庵野大好きやし、影響受けまくっとるな笑
本当にでもこの作品が宮崎駿作品の最後になるかも知れないですね。
祖父も似た歳で他界しましたので、悟っておられるのかも知れないです。死ぬまでチャレンジ、やりたい事し続ける姿勢には本当に敬意を評します。


ほんとの所は知らんけど!!笑
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