君たちはどう生きるかの山本のネタバレレビュー・内容・結末

序盤はよくわからなかったけど、この後に来る何かへの前振りなのかなぁと思いながら見てた。
中盤になり、死にかけのペリカンが「この生き方しかできなくなった」みたいなことを語っているシーンになったところで、「この映画はいろんな生き方を提示してくれる作品なのかな」と思った。
そこから終わりまで、そういう視点を持って見た。いろんな生き方を見せられたような気がした。大叔父にせよ、インコ大王（で合ってたっけ）にせよ、若い頃のキリコさんにせよ、いろんな人がいろんな生き方であの世界を生きていた。特に感動したのはヒミと眞人が別れる時のヒミのセリフ、「だって眞人を産めるんでしょ？そんな素敵なことないじゃない！」。正確にこうだったかどうかは覚えていないけど、このセリフを聞いて思わず涙を流してしまった。火事で死んでしまう未来を知りながら、それでも眞人を産むという“生き方”を選択するヒミの姿がとても美しかった。
作中に登場する様々な人が生き方を選択し、「さぁ、お前はどう生きる？」と問われた眞人が戦後どうなるのかは映画内では描かれていなかったが、その後のエンドロールでの米津玄師の主題歌を聴いて、というより、「瓦礫を越えていく」という歌詞を聴いて、戦後の厳しい時代を強く生きていくのだろうな、と彼のこれからの人生へと思いを馳せることができた。この映画の主題歌として、そして宮崎駿という日本のアニメーションを創り上げてきた人間の主題歌としてこれほどふさわしい曲はないだろうなと思える素晴らしい曲だった。
映画を見終わった後、宮崎駿の告白文学、と言われている記事を読み、確かにそうだろうなとは思った。が、それはそれとして、眞人という主人公の作品として、とても面白い作品であったように思う。