このレビューはネタバレを含みます
要するに、冥界への旅であるという前提？すら共有されてないの感想にイライラ。そんなに分からないし、意味不明な作品ではない。
それは余計な感想だけれど、ファンタジー世界の造形が、過去作と比べたら明らかに今回は弱い。トトロのように、見たこともないような世界でないし、鳥たちや、王も何がしたいのか分からず、デザインもあまりに既視感がある。また、主人公に葛藤がそこまでないのに今回は違和感がある。
本当は描写以上に夏子さんに気持ち悪さや、性的な感情があるはずでそのへんがないと話が成立しないというか、過保護かつ、戦争と離れたところにいる父親への気持ち悪さ、違和感がもっとあって、この話は成り立つように思う。またラストへ現実を選ぶことも悩んだ様子もそのへんのあっさりしすぎ、かつ台詞で語られすぎて観客が置いてかれてるような感じ。
またお話としては、前述したように、オイディプス的な話に終始してしまって、残念。なんでも思い通りになる積み木＝アニメ(理想)の世界を選ばず、自らを傷つける悪意(それもまた形的に女性器のメタファーか)も含めての善悪混合の現実世界を選ぶのは、理屈も含めて村上春樹的だと思った。
ただ理屈はともあれ、見るべきところは別にあって、冒頭のノルシュテイン的？な、訳のわからなさ、得体の知れなさアニメーションとしての最高だった。後、画面左へとやたら向かっていこうとする運動について、次は詳しく見たいなと思う
