木綿一丁

君たちはどう生きるかの木綿一丁のレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.0
映画は極力ネタバレ無しで観たい派なので、駿おんじぃ10年ぶりの新作をまっさらな状態で観れる状況を作ってもらった、それだけで100億点なのですが(笑)。

観たらわかるけど、まんま監督の話でした。私的小説は『風立ちぬ』でやってましたが、今作はさらに曝け出し、自由すぎる場面転換、自由すぎる構成(あの呆気ないラスト、いつもの『おわり』が無い)。
ヒロインを堂々とお母さんにしてたり(引)とにかく俺の脳内を見ろと言わんばかりの曝け出し感。年を経た人間が、重い鎧を一枚ずつ脱いで身軽になってく感じ。

辻褄を合わせて小さくまとまるくらいなら、やりたい放題やって破綻した方がええ!
脚本をやめ、絵コンテから作る作品は徐々にそうなっていったけど、最後と銘打った『風立ちぬ』はそれほど破綻してなかった(めちゃくちゃ好きだけど)。
それが今作はいい感じに爆発してて、どの場面も楽しい。破綻してるのに楽しいってすごくないですか。
ただ、ストーリーはごくシンプルな、行きて帰りし物語なんですよね。

齢80を過ぎて尚、これだけのイマジネーションを世に放出できるなんて、駿おんじぃはやはりスゴイ。巨匠の頭の中を潤沢に観せてもらえて、映画ファンとしては最高に幸せな体験でした。
木綿一丁

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