過去作品とつながっているようなキャラクターが次々登場してくるので、宮崎作品のエッセンスがぎゅっと凝縮されたように思えました。前作が外面の（えぇカッコしぃの）宮崎駿だとするなら、今作は恥もさらけ出した内面ですね。（主人公のひねくれ具合ときたら！）
よく分からなかったという感想を聞きますが、物語というのは作り手の自由なイマジネーションで生み出されるものであり、受け手側も自由な感想で良いのです。賛否両論はとても健全。
最近の映画やドラマは、商業的に（つまりウケるために）読み手の感情を誘導する様々な仕掛けを埋め込みます。説明多めで理解しやすく、飽きさせないようにテンポよく、ショックも多め。そういった物語作りトレンドに対するアンチとして、宮崎監督は自分が受け継いできたファンタジーを作るんだという意地があったんじゃないかなぁ。この頑固さは最後の巨匠ですな。
