koyaaa

君たちはどう生きるかのkoyaaaのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.1
別にネタバレ忖度しなくていい気がする.

端的に言って、名前負けである.
「君たちがどう生きるか」については全く描かれてはいない.
自分はどう生きたらいいんだろうか?と真剣に考えてる人ほどみなくていい気がする.

タイトル自体がミスリードで、
そういう行為自体が「悪意」(もしくは偽善)って言うんじゃねーのか?と個人的には思った.


結局スタッフロールの沢山のスタジオの羅列をみるに、沢山の兵卒の上にこの人たちだけがやれてるんだなという感があるし、ジブリが宮崎駿氏がいないと持続できない感じになってるのを暗に示してる気もしてしまった.

後継者がジブリにはいないんだろう.
どうしても地獄しか作れなかったんですーとは、宮崎駿氏のカミングアウトという理解.

スタジオジブリはディズニーにはなれないのか。。
後進への可能性の提示ではなくて権威の構図に見えてしまった.

その上でこのタイトルはとんでもなくいやらしい悪意のあるタイトルだな、これは。。とみた直後には思ったものです.

これが結論なのかどうかというそういうつもりで作ってるようには思えない.
単純に今考えてることがコレなんだろうな〜、という気がする.自叙伝というかエッセイっぽい.

だからそんなに持ち上げるような作品かというとどうだろうという気もするし、正直、作品のクオリティとしてもまぁまぁな印象.

画面ライダーの某氏とは訳の分からなさという点では同じだが、
こちらは良くも悪くも素直に本人の思いの丈が出ていると思う.
それぞれのエピソードの意図はわからなかった.話のつながりがない.

不思議の国のアリスみたいな感じで倒錯してるイメージとは思ったが、正直ほろ酔いくらいな感じで深みは感じない.この方向ならもっとドープにサイケにキメて欲しかった.

とにかくコマ数が多いし、やたらと動きが複雑だし、ぬるぬるとした不気味さとか、
そういうことができちゃうんだぜ!という感じ.

でもちょっと絵のタッチは衰えたというかあまり瑞々しさがないな、と序盤で感じた.キレがない、という形容が近い気がする.

なんとなく漂うご都合な感じは結局血筋を象徴してるという気もする.

マザコン万歳!と言えば、ネタバレになるのか?そう言えばスピルバーグ御大の近作も近しいテイストは含んでいたような.

あと恐らく嫌ってるであろう父親役にナルシスな感じのキムタクを当ててるのはある意味適役と言えるが、、
そんなもんの前にキムタクはやはりヘタだな.声だけだと余計に.
koyaaa

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