君たちはどう生きるかのYAのネタバレレビュー・内容・結末

前情報ほぼ無しで視聴。面白いか面白くないかで言えば面白いし、好きか嫌いかで言えば嫌いだった。ジブリの集大成！と言われていたが、駿は本当にこれで終わりでいいの？と思う。駿の好きな要素は詰め込まれていたと思うが、ストーリーやテーマが煮え切らない感じがした。

テーマ上は眞人の内面の成長の物語と家族の再構築の話のはずなんだけど、特別大きなアクションが無くても眞人の基の人間性が良いのか、眞人は勝手に自己解決していく。「成長物語」とはちょっと違うと思った。眞人は確かに現実世界に鬱憤や確執は持っていたが、言うたらば、塔の世界に来なくても現実世界の自分の問題を自己解決できたと思う。ナツミもそうだしヒミもキリコもそうで、みんな強い。好意的に受け取れば、「特別な世界に来なくても人は強く生きていける力を持っている」というメッセージとも思うし、タイトルとも繋がると思うが、物語のセオリーからは外れてるな……と思う。普通、こういう「行って、帰ってくる」系の物語は、行く前の主人公は極端に弱く、特別な世界のイベントを通じて成長し、強くなって帰ってくるものだと思うので。眞人もナツミも、特別な世界に行く必要がなかったように見えた。それなのに眞人たちがあの世界に行かなければならなかったのは何故だったんだろうと考えさせられる。

それはそうと、一緒に見に行った人の感想で、「事業継承失敗の物語はジブリ(宮崎駿)自身のことを言っている」説はめちゃくちゃ面白いと思った。スタッフロールに吾郎いたからそんな意図はないはずだけど、単純におもろい説だなと思う。