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君たちはどう生きるかのwoosのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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ユナイテッドシネマとしまえんにて字幕版を鑑賞。
2023年新作劇場鑑賞50作目。
客席は7割くらい
テーマ「継ぐの?」

[全体として]
リベンジシリーズ三本目。(リベンジシリーズとは『ヴァチカンのエクソシスト』のレビューに書いてあります。)

病に伏せながら世間の評判は賛否分かれてるだとかそういう噂がチラホラ入って来ていたが、概ね面白かったと思う。

お話的には1945年の日本で、火事で母を失った小学生の主人公眞人が東京から父と田舎に疎開することになり、父は母の妹と再婚して母の実家(豪邸)で暮らすことになる。ある日、引っ越してきた日から挑発的だったアオサギを見ていると庭の池のほとりに佇む巨大な塔の中へ入っていった。
その後もアオサギは事あるごとに眞人のもとに訪れるが、ある日なんと母親が生きていてそこにお連れしたいと言ってきた。が、それを無視。しかし後日義母が行方をくらましたので、義母を探す名目のもとアオサギにいざなわれるようにお手伝いのばあさんキリコと塔の中へ入ると、そこは不思議な世界だったという感じの話。

[良かったところ]
画力のクォリティが高いのは言うまでもないが、アオサギの仕組みとかすげー変で面白い。言っていることが矛盾しているキャラだから「二枚舌」ということであんな感じのキャラなんだろうなと思うが、中に入ると鳥になるというのが狂っていると思った。
義母があっちの世界で本音を吐露するシーンは、おじさんになった今胸に来るものがあって「そうだよねー」と思わずにいられなかった。
全体的に過去の宮崎駿作品の要素が多分に含まれている作品なので、ジブリ映画を見ている感はすごくあってよかった。

[気になったところ]
前作の『風立ちぬ』から顕著になった気がするが、『ハウル』までは自分の内面の話以外に世界の問題を物語の中に入れていたものを、ほとんど内面の話というか自分語りの物語になったように思う。
後半からクライマックスにかけてはなんとなく息子に宛てた話のように感じられて、でも俺はこうしたけどねみたいなマウントも感じてちょっと老害臭がした。
お話が強引に閉じられて言ったようにも感じられて、これも寄る年波の影響なのかなぁと感じてしまった。
今回は宮崎駿が気に入らない箇所を全部書き直すというようなことは体力的にできなかったようで、この仕事のやり方が確立できるのであれば2年に一回くらい宮崎監督作品作られるんじゃないかなーという気がする。

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とはいえ終わったと思っていたジブリ作品がまた観られた喜びはありました。
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