君たちはどう生きるかのはすのねのネタバレレビュー・内容・結末

※解釈は人それぞれです。
宮崎ジブリの終端と、監督の遺言の映画。
感想や解説、キャストをほぼ見ずに挑みました。途中までは難解だな…何が言いたいのだろうか？と考えながら見ていましたが、積み木のシーンで噛み合いました。大叔父は監督自身で崩れ行くあの建物はジブリそのものなんだなと。それに気付いたら、ジブリで育ってきた私は思い出すものがたくさんありましたし、これが理解出来る年齢になったこと、そして1つの時代の終わりを感じて泣きました。エンドロールが涙で滲んで見えなくなったのは初めてです。
最後に主人公があの石を持ち帰るのは、次世代がジブリから受け取ったバトンだったり、小さい頃に見た作品の記憶なのかもしれない。いつか忘れてしまう記憶かもだけど、そういう経験という石を自分の中に積み上げていくように見えました。主題歌の歌詞にもある「一欠片握り込んだ秘密を忘れぬように」もここにかかってくるのかな。
今までのジブリの様に迫力はあまりないですが、背景が恐ろしく綺麗で落ち着いた作品です。出てくるキャラが過去作の二番煎じと言う方が居ますが、作品として表に出ていて私等がそれを知っているだけで、ずっとそのイメージや考えは監督の頭にはあったのかもしれませんね。
正座して説教されるのを聞くのかと思って心して行ったら、暖炉の前でロッキングチェアに揺られながら思い出話を聞くような映画でした。
貴方は貴方らしく生きてください。ジブリとしての役目はここで終わりです。でも、持って帰った石を見てはたまに思い出してね。
見終わった後は背筋が伸びました。