酒ポテト

君たちはどう生きるかの酒ポテトのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

『崖の上のポニョ』以来のジブリ作品。いつかまとめて見たいと思いつつも間に合わず本作に至った。本作の感想は宮崎駿氏の最終作なのだろうという意気込みを強く感じたという所に収まる。
目を引いたのは登場人物の表情や所作の詳細なタッチだった。また久石譲の音楽は言わずもがな心穏やかでありつつ緊迫感も感じさせた。天才の所業だと感じた。
世界設定を掴むのに一苦労した。簡単には現世(眞人たちが住んでいる世界)と、異世界(大叔父が積み上げた世界)があり、異世界から扉をきっかけにして、現世の各時間軸にタイムトラベルできるようになっているということだろうか。また時の回廊を渡った先に居た(あった)大きな石は、神的な立ち位置ととりあえず認識することしか出来なかった。大叔父は「契約」という言葉を口にしていたが大叔父側のメリットは「自分の思う世界を自由に作れること」だろうか。鳥が覇権を握っている異世界は空飛ぶ鳥に憧れる人間への皮肉だろうか。
ワラワラが空へ飛んでいくシーンで眞人の問いに対してキリコが「当たり前だ、人間になるんだ」と答えるシーンが印象に残っている。鳥が支配している世界でこのような答えが平然と出せるのは人間至上の世界は終わらないというメッセージに見えた。積み木の主導権を握っているのが人間である大叔父である点も同様である。
半人半鳥のアオサギの存在がキーになっているように感じた。彼は大叔父の血筋でもないのに塔を出入りしても姿が変わらなかった。しかし彼の存在が何を意味するかは分からなかった。
眞人の新しい母親がなぜ自ら塔に入って行ったのか、まだまだ腑に落ちない点が多すぎるのでもう一度鑑賞したい。それとそろそろほかのジブリ作品も見よう。
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