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君たちはどう生きるかのcのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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素晴らしかった。
宮崎駿は最低で、天才だった。

どうしようもない人間が描かれていた。宮崎駿には人間はこう見えているのかと思った。
画面の強度がとてつもなくて、怖くて気持ち悪かった。個人的にはこの映画はホラーだと思う。

映画に出てくるインコは、まさに人間の象徴だと思う。大量に増えて、自分勝手に他の領域に侵攻する。宗教的な、教祖的存在がいて、それが暴走する。インコというのがさらに皮肉的で、他人の言うことを繰り返すことしかできず、自分から何かを生み出すことはない。
主人公含め映画の中での「人間」にもちゃんと欲にまみれた人間らしさが描かれていて、最高に気持ち悪かった。

好きなシーンは、父親が「マヒトがセキセイインコになっちゃった!」と言うシーンで、最高に面白かった。亭主関白の象徴のようなろくでもない親父にとって、自分の言うことを繰り返すだけのインコは息子として理想なのだろうけど、本物のインコになっちゃうのは流石に困るらしい。

ジャンルとしては決して好みではないはずなのに、画面の強度と宮崎駿の描く人間の解像度が半端なくて、好きと言うしかない。
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