このレビューはネタバレを含みます
うーん、難しい。笑
ただ、駿監督が伝えたかったメッセージみたいなものは何となく伝わった気がする。（以下考察）
異世界の主は、監督が自らを投影した存在。積み木の数は宮崎駿が監督を務めた作品数と同じらしいし、キャラの雰囲気も似ていた。
主の作った理想世界では、本来大空を飛べるはずの鳥達が地面を歩く。博愛の象徴たるペリカンも、飢餓でワラワラ（人間の魂？）を食べる。つまり、理想郷のつもりで作ったが、実は自由が失われている。これは、スタジオジブリのことを比喩しているのでは？
理想も求めて作った組織だけど、注目を浴びるにつれ『ジブリ=老若男女受けする』という作品イメージに囚われ、本当にやりたいことが出来なくなっていたのではないか。鈴木敏夫さんや高畑勲さんもいるし。
だからこそ、遺作となる今作ではそんなイメージ度外視で、自らのやりたい内容に仕立ててきたのでは、と思った。理想世界が崩壊して終わったのも『俺は引退する』という演出のように映った。
そしてたぶんこの宮崎駿監督のメッセージと、物語のメッセージ（過去の創作に囚われず、自分の道を生きろ！的な）は全く別物なので、結果的にグチャグチャして難解になって見える、という気がした。
事前情報も少なく、作り手の意図を汲み取るのがとても難しい作品だった。
視聴者に考えさせるのもアリだけど、今作の難解さは今までのジブリ作品ファンを少なからず失望させたことには変わりないので、個人的には失敗だったと思う。
