君たちはどう生きるかの分分丸のネタバレレビュー・内容・結末

ジブリ好きだからどの道見ることになっていたとは思うのだが。

絵を描く者でなくとも宮崎駿は憧れの存在であり、晩年の作品であるのだから氏が世の後輩たちににどう生きてほしいのか、聞きたい。
興味津々だった。

冒頭から戦争描写。これは期待が持てる。
戦争は今を生ぬるく生きている私達にとって生を奮い立たせる存在。
だが実際は物語となんら関係なく、母親の死と父親が死別した母親の妹と再婚するという気持ち悪い設定の引導でしかなかった。
（ここで木村拓哉が木村拓哉すぎて鑑賞に支障が出る）

気持ちの悪い鷺の描写を抜けると理屈不明なダンジョンがあり、以降は件のダンジョンをどう抜けるか、という話になる。

原作は見たことがない（全く違う話らしい）が
宮崎駿の”君たちはどう生きるべきか”を聞きたかった自分にとっては終始分けの分からない時間となってしまった。ずーっと、どう題材に纏めるんだろう　と考えてしまった

無茶をいっているのは承知だがこんな意味不明な映画になるなら「題材から真剣な考察はしないで下さい」と冒頭で教えていてほしかった。

勝手な考察だが、晩年を迎え、高畑勲と鈴木敏夫に抑え続けられていた描きたかったものが、期を熟して弾けたのだろうと思う。
力も名声も功績もあるのだから、これくらいはいいと思う。
題名が違っていればな・・・

ジブリクオリティはもちろん磨きのかかったものになっているし、肯定的な意見として抽象的に見ると良い、というのがある。
もっともである。深く考えすぎると損をする。
絵の動きや色彩、夢の中にいるような感覚を楽しめるよう、見る前にスイッチングしなければいけないことがある作品と思います。