このレビューはネタバレを含みます
いくつかの考察に納得しつつも、この映画は今を生きる子供たちへの純粋なメッセージなのだと感じた。
たとえ辛い事があったとしても、自分だけの世界(本やネットやゲームの世界)から出てこの現実を生きてほしいと。
この物語では、少年が自分の中に悪意があることを初めて知る瞬間、というのが描かれている。自分の辛い気持ちから大人を傷つけるが、後にその大人も苦しみながら生きていることや、自分を見守ってくれる人たちの存在に気がつく。
母親の描写についても反応はさまざまだけど、母親との関係性や距離感は、時代によって大きくちがうはず。宮崎駿が幼いころ、厳格な父親と距離がある中で、やさしい母親の存在がどれほど大きかったのか。その母親を失った主人公の気持ちを思うと、私は不快にはならなかった。
見終わったあとに、何日も思い返す映画だった。