ゆずきよ

君たちはどう生きるかのゆずきよのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.0
前回の劇場鑑賞は7月中旬。
8月は夏休みという事もあり何かと忙しく1ヶ月半ぶりの劇場鑑賞です。
基本的に人が多い時に観るのが好きじゃ無いので公開直後の映画が多かったのと夏休み期間中を嫌ったというのもある。
ただそのおかげで観たい映画が溜まってしまいました。
候補がいくつもある中で時間の都合と公開日との兼ね合いでこちらを選択。
残念ながら1日という事で客入りはそれなり。
でも予約していたのでお気に入りの1番後ろ端を陣取れました。
実は白亜紀以来の夫婦揃って同じ作品を鑑賞です。

物語は…という形でいつも簡単なあらすじを書いているのですがネタバレにはしたく無いし…でももう情報公開されたし書いても良いよね?
戦時中に母を亡くした少年が父の再婚相手と自宅へ行くとそこで不思議なアオサギに出会うという話。
やはり凄い映像美です。
昔から観ていたジブリ感も残しつつ進化した映像はそれだけで映画館で観る価値がありました。
迫り来る炎の演出やアオサギの不気味さなど序盤の引き込み方が凄い。
大量の魚と蛙の気色悪さはある意味圧巻です。
わざとじゃ無いとしても壁に穴を開けるのはちょっと…。
7人のばぁやも存在感抜群でした。
中盤以降はよりファンタジーの世界に入っていきこの辺りから理解出来ない事も増えていく。
場面転換が早く飽きる事は無いけれど消化出来ないまま物語が進んでいくのが少しもどかしいです。
宮崎駿の集大成との事でこれまでの映画の雰囲気なのかなと勘繰ってしまう演出が多くありました。
例えばアオサギの飛び方がラピュタのフラップターに似ていたり、偽お母さんの崩れ方がカオナシっぽかったり。
ワラワラだってコダマとまっくろくろすけを足して割ったみたいな印象です。
個人的には航空機の部品を運んでいるシーンがナウシカの王蟲の殻を運んでいるみたいで興奮しました。
勿論本当にそういう意図かはわかりませんけど。
ちなみに今回の作品には鳥がめちゃくちゃ出て来ます。
鳥好きの方は必見です。
終盤になり前半の流れをふんわり回収していきます。
そのまま大きな驚きは無いけれど少年の物語としては完結。
個人的にはもう2、3回観たいなという映画でした。
私の頭では一度で完全に理解出来なかった。

私達夫婦はそれなりの映画、ドラマ好きです。
同じ部屋にいても自由時間であればお互いが何かをしながら別々の作品を観ている不思議な空間。
子供達と家族で自宅鑑賞する事はありますが映画館へ行った際も別の作品を観る事が多く、観たい映画の種類も結構違います。
そんな中不思議なもので前回同じ作品を劇場鑑賞したのが『風立ちぬ』
あれから10年。
映画業界も私達も色々な事がありましたが言葉にすると本当にあっという間。
10年後にもまた、あの時にこの映画を観たよねと言い合える人生を過ごしたいものです。
なので駿さん10年後にまた復活して下さい。
ゆずきよ

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