ゆずきよ

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)のゆずきよのレビュー・感想・評価

3.5
久しぶりの映画館はこどもの日という事で子連れでドラえもん。
駆け込み鑑賞でもう落ち着いているかと思いきや流石こどもの日ですね。
小さい劇場ですがほぼ満員でした。
私の実家は元々アニメをあまり観る家では無く、ドラえもんなんかは子供が生まれてから観る機会が増えました。
映画ドラえもんも新旧問わず色々と見せられています。
個人的にはイソベヤンの方を観たかった気もしますけど仕方ない。

物語は、リコーダーが苦手なのび太がまたドラえもんの秘密道具を利用して悪巧みをするという所からはじまります。
オープニングは非常に気合の入った作り。
しかもこれが丸々伏線になるなんて思わずに良い映像だなとだけ思っていました。
今作のキーワードは音楽の授業。
舞台は宇宙です。
ドラえもんの映画は前半の何気無い会話やカットが伏線になっている事が多いので、子供達も小声で「ここはきっと…」なんて囁いてきました。
ところでセミの声は音楽だったんだね。
何やら不穏な事はあるも前半はドラえもんらしいワクワクする展開。
有名作曲家をもじった登場人物やムシーカ星という名前、壮大な舞台装置と心踊ります。
相性の良い楽器を選ぶのにまさかのおみくじスタイル。
事前準備考えるともう少し他の道具の方が良かったんじゃない?ドラえもん。
中盤以降は忍び寄る怪しい影との戦い。
戦いなんて言っても今作のメインは音楽です。
音楽に争いは必要無いよ。なんて思っていたらしっかりとそのラインを守る構成で一安心。
ドラえもんだけは脳筋で空気砲をぶっ放していました。
やや強引ながらも前半の伏線を回収しつつ違和感を無くしていく脚本はお見事。
事の起こりは少し予想外でしたし、展開が多いので終盤も子供達は飽きず釘付けでした。
いきなりゼログラビティに突入したかと思いきや実にドラえもんらしいラストへと走り抜け終幕。
エンドロールで気になっていた笛の返却やライセンスの件も回収してくれました。

流石ドラえもん映画という感じ。
でも少し要素を詰め込み過ぎたなぁという印象と展開の強引さが気になる所ではあります。
特にやはりお守りの笛の件が蛇足な気がしてしまって…。
子供向け映画にそこまでというのはあるかも知れませんが、あの辺をもう少し厚くするかもしくはいらなかったのではと気になってしまいました。
ただ映像は美しかったし音楽に関しても映画館で観るべき映画だとは思います。
連休中はあまり遠出は出来なかった子供達ですが、学校で友達に「どこか行った?」なんて聞かれたら『ファーレの殿堂』と答えてもらう事にします。
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