君たちはどう生きるかのAGのネタバレレビュー・内容・結末

ワラワラかわいい。いろんなおばあちゃん最高。宮崎駿ワールドの暗さと不思議さと楽しさを感じて楽しむ部分と考えて楽しむ部分との配分も自分で決めていいんだと思う。

アオサギからオッサンが少しずつ出てくるところも、穴塞ぐのを調整するところも、矢が自分の意思で飛ぶようなところも、でかい獲物を捌くところも、若かりしキリコさんがめちゃくちゃカッコいいところも、化けインコがセキセイインコになってくところも本当に楽しいし素晴らしい。

久石譲さんってなんで混沌とした瞬間の音楽まで的確に表現できるのか。素晴らしすぎた。

迷宮に次ぐ迷宮の中で、死と生、天国と地獄、過去と未来、無垢と穢れ、若さと老い、血縁と地縁、生き物（主に鳥）と人、可愛さと恐ろしさ、人の中の善と悪、拒絶と受容などの沢山の対比をみた。

眞人の経験したことは現実世界に戻ると忘れてしまうと言う。それが血だ、DNAと言ってしまうとひたすらにつまらなくなるけれど。この映画は不思議な縁をひたすらに感じるものだった。夏子さんから産まれてくるのはヒミなんじゃないかなーなんて思わされなくもなかった。

夏子さんが母（ヒミ）の妹でなければ助けにも行かなかったのかもしれない。母が生きていると聞かなければ向かわなかっただろう。でも父が自分を探している現実に戻らず、憎悪を受けてまでも父が愛した夏子さんを追い続けた。
受け継いだものを引き継ぐかどうかも自分で決められる。重いものを背負うかどうかも。

世界は誰かが組む積み木のバランスで決まっているだけかもしれない。あなたが積み木を組みなさいよと私も言われていたのかも知れない。

どう生きるかを自分で選びなさい、自ら選んだほうが正解なのだと言われたような気がした。

著名な声優がいい意味で目立たず素晴らしかった。

いろいろわからないけれどわからなくてもいい気がした。最後のアオサギのセリフで涙出た。
こんな奴！と言う関係が友達になって終わったのが美しかった。