ゆう

君たちはどう生きるかのゆうのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ダークファンタジーという前評判だけに惹かれて見たけど、個人的にかなり好きだった。宮崎駿男ワールドに完全についていけないけど(ところどころ訳分からなくて)、純粋にファンタジーとして楽しめることに加えて、恐らくこうだよね?っていう裏設定がかなりハマった。妹と再婚っていうところから近親相姦的なタブー(禁忌)の話かなと思ったり(でも戦後はよくあった話みたいで逆縁婚というらしい)。姉が存命の時から妹である夏子さんは、義兄(お父さん)と関係があったもしくは好きでそれが故に姉が産んだ眞人のことが嫌いだったのでは(姉と義兄の子だから)。とある人のレビューで、「現代のあなたが抱いたその感情(妹と再婚ってヤバすぎるでしょという感情)こそが 宮崎駿が観客に眞人と感情を共有させるための演出ですので「まんまと」ですね」ってあって、非常に腑に落ちた。
にしても眞人の環境適応能力高すぎて尊敬した。笑 最後の方も何故か誰から明かされるわけでもなく、ヒミが実のお母さんだと気付いた?産屋のシーンでも「夏子のお母さん」って初めて認めてあげたかのように必死に叫んだところや、結局眞人は大叔父の後を継いでより良い(異)世界を作ることではなく、現実世界に戻ることを決意したところから、眞人が異世界に入り込むことで、実際に現実世界で置かれた複雑な家庭環境と戦時中という状況を理解し、自分と周りを許しながら成長している気がして、正にここがタイトルの「どう生きるか」を眞人自身が確立していったのだと思う。序盤のお母さんの「助けて」が引っかかっていたけど、本当は自分への助けではなくて、大叔父への助け(異世界の後継ぎ)と異世界を経験させて成長を促す為に眞人を呼んで、夏子さんのことを認めさせて、眞人を一人前に成長させる為にあえて呼び寄せたのではないかと思った。
好きだったシーンは、序盤の鯉の「おいで下され」からの蛙の「おいでっ!」と、ヒミのお家で眞人がパン食べるとこのジャム塗り過ぎやろ!のシーン。米津もめちゃくちゃ良い。また見たいです。
ゆう

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