はちみつ小町

君たちはどう生きるかのはちみつ小町のレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.5
想像していたよりもずっと芸術色が強い作品だった。作画の美しさが素晴らしく、どのシーンを切り取っても、文句の付けようがない。まさに「宮崎駿の集大成ここにあり」だった。ストーリー自体は『となりのトトロ』に似ていると感じた。まだ大人になる前の少年(『トトロ』では少女)が異世界へと誘う動物と出会い、旅をする。その旅が『トトロ』では楽しいものだったが、『君たち』では哲学的でありパラレルワールドでもある。(母親が病弱というのも同じ)加えているなら、作画は『もののけ姫』と『借りぐらしのアリエッティ』を彷彿とさせた。
肝心の面白さだが、私は興味が引かれなかった。ただ少年の哲学的な旅の映像を見ていただけだと思う。唯一印象的だったのは「より良い世界を作る」解が「友達を作る事」だと眞人が答えていた事。エンドロールを見ていて、この作品にはこんなに多くの人が関わっているのかと感心した。ジブリ作品もひとりじゃ作れない。仲間が必要。それが、キャリアを積み重ねて来た宮崎駿の答えであり、次世代に伝えたい事なのかもしれない。