いそべ

君たちはどう生きるかのいそべのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.3
エンドロールの後に、ため息ひとつ。
同じ空間を共にした人と、横にいる人と、夜が明けるまで語らい合いたくなった。

それくらいに美しく、広大な世界を見せつけられたような。

わたしはそんなに他作品含め詳しいわけではないけれども、幾つかのジブリの有名作品を見て育ってきた。

その上で、いろいろな意味を込めて率直に述べるならば、この作品は
「ジブリ」そのものだった。

世界観の壮大さや構成の緻密さは毎度のことながら。
美しい海原や草原、土の大地が緩やかに描かれる、
どこか遠い国の、御伽噺のような世界。

そして、真っ直ぐで、喜怒哀楽の伴うどこまでも人間らしい登場人物。
時には隣人のような、あるいは自分自身のような。

これは、もしかすると幼き日の宮崎駿監督自身のことを表しているのかもしれないのだけど、人間らしい悩みや選択、戸惑いや苦しみ、そして喜びが描かれていたので、幼き頃の未熟な感情や、大人になった今でさえも、自分自身の内なる感情に投影できる人は多いのかもしれない。


一言で述べるならば、
「暮らしはいつだって私自身の感情と、隣人。そして、自然と共にある。」
いそべ

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