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君たちはどう生きるかのsunaのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.6
IMAXで見た。これまでの宮崎駿が詰まっているし新しい試みもありつつ、80歳を過ぎたじいさんが作ってるってとんでもないな…。
宮崎駿の映画のストーリーって、最初は子供っぽい主人公が、おいでと導かれるようにリードされ、物語の終盤には行こうと声をかけ自分から進んでいく、この映画を見て改めて思った。
直接神隠しという単語が出てきたり、ハクと同様元の世界へ別々で戻るところも、一番千と千尋との共通点が多かった気がする。

ジブリの主題歌は、世界の約束やいつも何度でものように、寄り添うような優しい声が合うと思っていて、米津玄師の歌を普段聞かない自分は、シンウルトラマンのM八七のような、孤独で生きていくことを覚悟を持った強い人の歌という先入観があったので映画館で聞いたときは合わないな~と思って聞いていた。
でも先日見たMVでがらっと印象が変わり、映像も相まってジブリの雰囲気が心地よく入ってきた。不思議。

なんとなく自分の中でゆっくり飲み込みたいと思い、考察とか解説は見ず、もう一度見に行ってから他の人の考えを覗いてみる。


9/22、2回目見た。
ヒミが子供の頃のお母さんなのはわかってたけど、昔神隠しでいなくなってた時がヒミで、だからお母さんは子供の時に眞人に会ってたってことがわかった。なんか、すごい。

なんでカエルに覆われたのか
なんでこの世界にペリカン、インコを持ち込んだのか
墓の石、我を学ぶものは死すの意味とか
夏子が塔の中に自分から移動した理由とか
久子も眞人を産む時塔の中に行ったのかとか
色々疑問に思うところはあるけど全部は出さない、
森見登美彦が「ジブリの教科書12 千と千尋の神隠し」で説明したくないことをすっとばすって話してて、不思議が残ったまま終わるというか。

この映画の詳細も忘れていくけど見たことは血肉に残る、作品の枠を超えて、直接的ではないけど本当にどう生きるかがテーマになってる。

ちなみに、お父さんが亡くなった妻の妹と結婚するのってどうなんやろって調べたら順縁婚ていうのがあって、戦時中ではそこまで珍しいことではなかったみたい。


見た後から、自分の中にずーっとじわじわ染みたわっていく映画。
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