見た。つらく悲しい映画だった。
母を失った少年が青キジを案内役に異世界へ母を探しに行く話だが、異世界ではだれひとりとして幸福に暮らしていないし、一生懸命がんばるけれど母は帰ってこない。
その異世界を作ったという「大叔父」はおそらく宮崎駿自身で、自分が作った世界を子孫に託せず、世界が崩壊していく最後の場面はそのまま宮崎作品の自己否定的な終わりを示していた。
宮崎駿はこの映画を本当に遺作のつもりで撮ったんだ、そしてその答えはおれはもうこの世界には必要ない、おれの映画は世界を良くしなかった、という諦めと孤独だったということがとても悲しかった。