リス戦車

マダム・ウェブのリス戦車のネタバレレビュー・内容・結末

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

スパイダーマンシリーズのキャラクター、マダムウェブを中心に据えた映画。

コミックでは高齢なキャラクターであるが本作では30代の設定。重症筋無力症かつ盲という設定であるがストーリーに沿って原作を踏襲していく感じであった。

話の流れは未来予知のスーパーパワーがあることに気づいた主人公が予知の中で見た3人の少女が殺される未来を阻止しようと行動したことから自身も含む宿命の糸に巻き込まれていく、というもの。その中で出自を知り、3人の少女の保護者的立場となることで成長していく。

話としては不快になるような要素も特になくサッと流れていく感じ。
しかし、会話のテンポがやや間延びしており、編集やカットの練り不足からか冗長に感じるシーンは多かった。キャラクター造形も語りが不足している人物が多く、ヴィランのエゼキエルや3人の少女についてはセリフから想像できることも多いがカットもなく実体感に欠ける。
「何か追ってくる悪いやつ」「庇護すべき子ども」の記号的な役割に留まる感じ。

3人の少女に関しては原作ではスパイダーウーマンを歴任してきたキャラクターであり本作でも将来的には力を得るという示唆はあるのだが、そんな重要なキャラクターのファーストタッチにしては薄味が過ぎる。オリジンストーリーの先っぽを別の映画で消費してしまう(広く知ってもらえるという利点もある)というのもシリーズ映画の功罪だよなと思う今日この頃。

上記したようにヴィランの描き込みも少ないため、主人公との対比が難しくカタルシスを得づらい。

エゼキエルに関してはやってることは許されない極悪なキャラクターではあるがチェイスシーンなど間抜けなカットや実際に間抜けなシーンが多く、彼をどう描きたいのかよくわからない。「可愛い」を狙ってるのかすら疑うレベル。

翻訳も全体的に甘い感覚があった。
はっきりと覚えていないが「しっかりと責任を果たせば大いなる力が宿る」みたいなセリフがあったと思うのだが「しっかり」という日本語が本当に締まらない。英語部分を聞き取れなかったのでこう訳せばいいとはっきり言えないが字幕で見た時の間抜け感について誰か指摘できなかったのかしら。

役者陣は3人の少女たちはフレッシュで魅力的だったので今後に期待したい、というかフォローが絶対入ってほしい。
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