がちゃん

殺人に関する短いフィルムのがちゃんのレビュー・感想・評価

殺人に関する短いフィルム(1987年製作の映画)
4.0
なんともやりきれなくなる作品です。

今までも重たい映画はたくさん観てきたが、本作はその中でもへヴィ級のやるせなさ。演出が実直すぎるのがその原因だろう。

弁護士試験に合格した若き弁護士。
ちょっと嫌味な性格のタクシードライバー。
怠惰な生活を送り街を彷徨う若者。
この交わるはずのない3人が、偶然でつながり、とてもとても重たい展開となる。

若者がタクシーに乗車する。
そして衝動的にドライバーをロープで締め上げ、
河原に連れだし石で撲殺する。

その若者を弁護することになった若い弁護士。
弁護のかいなく若者は死刑宣告を受ける。
そして・・


僕は基本的に死刑制度には賛成しています。
人を殺めたものには同等の罰、すなわち死刑しかないと思うからです。
被害者遺族感情をやはり重視します。

この作品の弁護士は、死刑判決を覆すことができなくて苦悩します。
そして殺人にいたった心の動きを、若者は懸命に弁護士に伝えようとします。

弁護士と若者との接見中に、刑が執行されることになります。
暴れて最後の抵抗をする若者。
弁護士は見ているだけで止めることはできません。

「死刑」というのは、国家社会による殺人ですが、
先ほども述べましたが、僕は死刑制度には賛成しています。
しかし、


このような形で死刑を描かれると、やはり残酷に感じます。

本作は“十戒”をモチーフとしており、
主題となった戒律は『汝 殺すなかれ』です。

深いです。
がちゃん

がちゃん