冒頭、犬っころを頭の上で引きちぎって、体液をドバドバに浴びながら雄叫びを上げるコング。ゴキゲン大怪獣プロレス開幕の宣言だ！
差し歯はダサいという価値観が猿にあったり、ゴジラがスープレックス決めたり、好きな瞬間は挙げればキリがないけど、とにかく今作は怪獣たちが喋る喋る。昭和ゴジラのように翻訳がついたり吹き出しが出るわけでなくても、彼らの言ってることが手に取るようにわかる。もうコングと会話できるというジアのアイデンティティは失われたも同然だ。
それに加えて今作では、人間ドラマを物語を進めるための最低限の役割に留めて、内容のほとんどを怪獣活劇に割いたことも賢明なバランスで、おかげでセリフが無くても全部話がわかる、存分に映像で語る作品になっている。
予告でコングが手になんか付けてたり、ゴジラとコングが並走するのを見て、ハードルを上げないでおこうと勝手に心配していたのだが、綺麗に掌が返って、今のところ今年で1番笑った作品となった。
