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ARGYLLE/アーガイルのあのレビュー・感想・評価

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
3.9
キングスマンシリーズよりもさらにケレン味が増してた。1番楽しかったのはやはり敵船での戦闘シーン。原油が流れ出したあたりでピンときて次のアクションに期待が高まったが、見事にその期待を超える演出を見せてくれた。

今作は配役も適材適所間違いなく、中でもサム・ロックウェルが最高すぎる。そもそもこれほど出演時間が長いとは思っていなかったし、災難に見舞われながら頑張る純情なおじさんなんだからそりゃ愛しくもなる。

また、マシュー・ヴォーン印とも言えるポップミュージック使いには、個人的にこれまで刺さることはなかったのだが、今作で一貫して流れるディスコナンバーはかなり楽しめた。往年のディスコクラシックの他にも、アリアナ・デボーズにボーイ・ジョージ、ナイル・ロジャースといったメンバーを集めて書き下ろした『Electric Energy』は強く頭に残ったし、新曲発表にざわついたのが記憶に新しいビートルズの『Now And Then』は、ディスコに染まったプレイリストの中では異色ながらも、今作のラブロマンスとしての側面をしっかりと支えて馴染んでいる。

一方でCGがチープだという意見もあるが、マシュー・ヴォーンのノリにリアルな迫力のある画は似合わない。ガイルばりの角刈りやジョン・シナの現実離れした肉体はいかにも妄想らしいし、冒頭のメチャクチャなカーアクションで作品の構え方もすぐにわかるはず。

エキセントリックなのはアクションだけでなく、二転三転する展開にも見事に騙された。純粋に楽しめるアイデアの詰まった一本。
あ