MCATM

ゴジラxコング 新たなる帝国のMCATMのレビュー・感想・評価

4.0
むすこと二人ですっごい堪能した。アダム・ウィンガードが、コングとゴジラのソフビ持って「べべべべ」「どどどど」などと奇声を発しながら遊んでいる姿を観させられたような二時間強。大変好ましいことである。ものすごいバカな展開が連続するが、ものすごい自信満々でやってるのでこちらも躍起になって指摘するような野暮は出来ない(例えば「地下世界」などという荒唐無稽を免罪符に、エジプトからブラジル、地下世界から地上世界へと目まぐるしい瞬間移動を見せたりするが、せいぜいこのように括弧内に記述するので精一杯。『KOM』の時のような台無し感はない)。コング愛が高まりすぎて、いよいよほぼ人間としか思えないような知能を手に入れたコングだが、一方で人間のことなど一ミリも考えていないゴジラが暴走し続けるのも、より高次の愛を証明しているのか。脇を固めるのも相当なメンツで、何より人ならざる存在内で一番厭な人間臭さを持つ名悪役=スカーキング。こいつ、本当にやなやつ。次から次へと登場する名もなきKAIJUたちの出で立ちも最高だし、サプライズ登場する「あの方」の信じられない包容力とホスピタビリティにも感動。「ホスピタビリティ」と「KAIJU」が両立するとは思わなかった。人間側にも、登場がバカ過ぎてむすこと顔を見合わせた「獣医」のトラッパーという、「陰謀論者」バーニーを凌ぐほどのバカキャラが登場し、しかしながら非常に有能で倫理的なやつだったりして、もうよくわからんけど頭悪くて最高だったな、と思う。ただ、あれです。例の「コングとゴジラ全力疾走」のシーンは、胸が破れるぐらいぶち上がった。サモ・ハンが、ジャッキー・チェン呼びに行った、みたいな。悟飯が、ベジータ呼びに行った、みたいな。トニー・スタークが、スティーブ・ロジャース呼びに行った、みたいな。主人公が最強のおじきと一緒にやってきたみたいな感動がそこには確かにあった。観終わった後のピザとコーラが2割り増しぐらいに上手く感じそうな作品。胸焼けは覚悟してね。
MCATM

MCATM